今日はレス・ポールの一周忌。
レス・ポールは、世界すべてのエレクトリックギター弾きにとって、
特別な人・特別な名前だから、多くは書きませんが、
僕の大好きな「世界は日の出を待っている」を、聞いたことのない人はぜひ聞いてくださいな。
これと「ハウハイザムーン」は、
多重録音技術、エレキギターの演奏ともに後世に実に大きい影響を与えた、
レコーディング史にとって、もっとも重要な音源のひとつです。
世界は日の出を待っている-レスポール&メリー・フォード
さてレス・ポール一周忌ということで思い出したのが、
昔々日本のレスポールと呼ばれた松宮庄一郎先生のこと。
吉屋潤さんの周りにいた大先輩のミュージシャンや音楽業界の方々のお話によると、
日本で最初に多重録音をしたり、ギターにディレイを使ったりしたのは、松宮庄一郎先生だということなのですが、残念ながら詳しい資料がありません。
松宮先生には、もう10年近くお会いしてないけれども、お元気で過ごされていることと思います。
10年前はまだ、ナベプロの講師などもされていていましたが、
もう引退されたかな?
井の頭公園のすぐ近くにお住まいで、何度も昔は伺ったことがあります。
魅せられしギター★松宮庄一郎-第一集
僕がよく仕事でお会いしていた頃は、ギターはもうあまり弾かずに、編曲を主にされていましたが、
その編曲のスピードがすごかった。
フルバンドのフルスコア一曲分が、綺麗な手書きの譜面で15分~20分ほどでできちゃう。
いっしょに控え室などにいる時に、あれよあれよという間に、
ワンステージ分の美しいフルバンド譜が出来上がっちゃうのを見て、唖然としました。
松宮さんの1960年代はじめのソロアルバム「魅せられしギター★松宮庄一郎」第一集の中では、
そのレス・ポールのレパートリー「世界は日の出を待っている」も演奏しています。
その他、「LET’S GO SURFIN /松宮庄一郎とビートニック・サウンズ」などインストアルバムが多数あります。
もっとも有名なのは、ナベプロ初期黄金期のザ・ピーナッツのレコーディングですね。
数十のカバーバージョンがあり、ロシアでも世代を越えた有名曲「恋のバカンス」(ピーナッツにとっても最大のヒット曲)は、
宮川泰のアレンジで、演奏が松宮庄一郎とシックス・ジョーズ。(注
オブリガートのレス・ポールチックなリバーブの効いたトレブリーな松宮さんのギターを、聞いてください。
(右チャンネルでオブリガート、左チャンネルではカッティング)
https://www.youtube.com/watch?v=J9zM-zJ2GE0
このほかに「可愛い花 PETITE FLEUR」「情熱の花-エリーゼのために-より」「ふりむかないで」などなどピーナッツでの松宮さんの演奏音源はたくさんあります。
当然ながら当時の ピーナッツのショーでも松宮さんがギターを担当しています。
GS時代には、ザ・スパイダースやザ・サベージの曲の作詞作曲もされています。
注)シックス・ジョーズはもともと渡辺晋=ナベプロ創業者のバンド「渡辺晋とシックス・ジョーズ」
戦後の日本を代表するジャズバンド。渡辺晋(ベース)、松本英彦(テナーサックス)、松宮庄一郎(ギター)、安藤八郎(ビブラフォン)、猪俣猛(ドラム )、中村八大(ピアノ)、宮川泰(ピアノ)などなど当時の錚々たるメンバーです。