8月18日エルビス・オンステージの頃 というエントリーで、
映画音楽中心のランキングだったユアヒットパレードチャートから見た、71年のことを書きましたが、
オールジャパンポップ20のほうの70年~71年チャートを見てみると、
無視しちゃいけないバンドがあることに気づきます。
ショッキング・ブルーとアース・アンド・ファイアーです。
いわゆるダッチサウンドと呼ばれたオランダのバンドで、(注)
この時期にこの2つのオランダのバンドの曲が、何曲も日本のポップス・チャート上位にあったということは、
日本の洋楽史において、なかなか珍しいことでした。
これはもちろん、
ショッキング・ブルーの「ビーナス」がビルボードで1970年2月に1位を獲得したことから始まります。
ショッキング・ブルーは、アメリカでは、「ビーナス」のみのヒットに終わりましたが、
この大ヒットから数年間、日本ではとても人気があって、来日公演をやりライブインジャパンのアルバムも出ました。
ボーカルのマリスカ・ヴェレスは、ほんの短い時期ではあったけれど、まさにDIVAでしたね。
(Charいわく「パイオツカイデーの美人の姉ちゃん」)
ショッキング・ブルーが初渡米をした時も”beautiful busty girl(美しい巨乳少女)”と書かれました。
当時の彼女のイメージと「I’m your Venus」という歌詞がぴったり一致していましたね。
「ビーナス」は、バナナラマのカバーでも1986年にビルボードチャート1位となりました。
ショッキング・ブルーにとってもバナナラマにとっても最大のヒット曲で、世界ダンス・ナンバー史上トップクラスの名曲中の名曲です。
とりあえず今日は、当時僕が大好きだった曲、ショッキング・ユーだけご紹介します。
(他にもたくさんキャッチーないい曲があります)
同時期のアメリカのDIVAグレース・スリックに負けないほどの力強いボーカルです。
ショッキング・ブルーのギタリスト・ロビーのソングクリエイト能力は、たいへん高いのですが、
ライブバンドとしてはあまり上手ではありませんでしたので、
マリスカのシンガーとしての全盛期に、もっといいバックバンドで歌を聞いてみたかったなあと思わせるボーカルでした。
アース・アンド・ファイアーEarth&Fireは「シーズン」が大ヒットしました。
この曲がヒットしたのは、オランダと日本だけだと思いますが、
イントロが実に素晴らしいんですよ。
音使いはまったく難しいことはやってないのですが、
シンコペーションで、これほどの印象的なイントロを作ることができるんですね。
エンディングは、アコースティックギターと女性ボーカルの哀愁パートになります。
4分ほどの曲でこの凝った構成っていうのは、2010年代の今でも十分通用する面白さですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qN24NwMSBHM
(注)ダッチサウンドのグループは、他にゴールデン・イヤリングやジョージ・ベイカー・セレクションやティー・セットなどが世界的ヒット曲を産みましたが、
日本ではあまりヒットしませんでした。