稀代の名曲『青い影-A Whiter Shade Of Pale』に関するノート

現在Oocamiがカヴァーレコーディング中の稀代の名曲『青い影-A Whiter Shade Of Pale』に関するノートです。

○700ものカヴァーがあり、過去75年間最高の名曲のひとつで、UKでのプレー回数ナンバーワン。
BBCでSold on song第一位として公式に認定されていいます。

参考リンク↓
http://www.bbc.co.uk/radio2/soldonsong/songlibrary/awhitershadeofpale.shtml
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7996979.stm

 

○ジョン・レノンのお気に入りベスト3だった曲と言われています。
ユーミンに最も影響を与えた曲でもあります(ユーミンはプロコルハルムをバックにゲイリー・ブルッカーとのデュエットでこの曲をカヴァーしています)。

↓はユーミン+プロコル・ハルムのライブヴァージョン

○オリジナルレコーディング(1967年)のドラムスはプロコルハルムのメンバーではなく、当時の有名ジャズ系ミュージシャンのビル・エイデン。
3連系のフィルが多いのは、ジャズドラマーだからでしょうか。

BORO「大阪で生まれた女」でドラムがこのフィルを多用していますね。これもまた、青い影に影響された曲なのですね。
このレコーディングは、BOROのバックをやっていたスマイラーのドラムス牧ツトムさん(元ジャガーズ)で、「チャックベリー東京セッション」というライブアルバムでもドラムを叩いている方。
僕は牧ツトムさんと昔セッションしたことがあります。その時は元CAROL(キャロル)の内海利勝さんもいらっしゃいました。

○昔々はジャズ屋がこの曲を「青ハゲ」って呼んでいました。
チークタイムごとにハコで毎日演奏させられるので、少し揶揄の気持ちもあったのかなあ?
しかし世界で最も尊敬されているドラマー、スティーヴ・ガッドがガッド・ギャングで1988年にカヴァーしてからは、「青ハゲ」って呼ぶ人は徐々にいなくなっていったような記憶があります。

○オルガンがアレンジ上のキーポイントになるのは、前年1966年に世界中で大ヒットしたパーシー・スレッジ「男が女を愛する時」の影響だとのこと。
コード進行も似ていますね。パーシー・スレッジのヴァージョンもあります。

○歌詞の日本語訳をネットで探すと、「意味」にとらわれ過ぎの訳がとても多い。
少し的外れに思える解釈が、日本ではネットでよく読まれているようです。

この曲の歌詞で重要なのは意味ではなくイメージの喚起なのではないかしらん。
主人公がカードゲームを一緒にしていた幽霊みたいに見えた「彼女」は、男を誘惑するセイレーンや人魚の類だったのではないか?
という幻想的イメージを、ギリシャ神話的アプローチの語句が引き起こします。↓

サラ・ブライトマンのカヴァー

アニー・レノックスのカヴァー

上記の歌姫2人のヴァージョンも、この「セイレーン(美しい歌声で航行中の人を惑わし難破させる精霊)」的イメージのようです。

↓は、プロコルハルムの歌詞4番全部あるフルヴァージョン(元々4番まであったものをシングルヴァージョンでは短くしたわけですね)
この歌詞全部を見ると、やはりセイレーンと難破する船の、神話的イメージですね。
whiter shade of pale (both extra verses) – Procol harum – YouTube

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