今日も昨日に続き、3大男声カルテットの話を。
昨日のエントリーを書きながら小さいころを思い出したのだが、
僕がブラック・ミュージックを聞き出したきっかけは、
3大男声カルテット(特にデューク・エイセス)の唱う黒人霊歌(ニグロ・スピリチュアルズ)だったことに気がついた。
小学生のころからポール・ロブソンやマヘリア・ジャクソンを聞いていて、
当時の僕には、意味もまったくわからないはずの英語のニグロ・スピリチュアルズだったので、
それがなぜだったのか、このあいだから考えていのだが、
それは3大男声カルテットがテレビで歌っていた、
「DRY BONESドライボーンズ」や「ジェリコの戦い」の影響だったんだなあ。
3大男声カルテットともに、出発点は黒人霊歌(ニグロ・スピリチュアルズ)&JAZZコーラスだった。
アメリカの黒人男声コーラスグループに近づこうというところからはじまったわけだ。
ミルス・ブラザーズという、なんと1920年代に誕生した
今聴いても驚異的なコーラスワークのグループに始まり、
30年代にグループを結成し、史上もっとも成功したゴスペルグループと言われ、
今もメンバーを入れ替えながら活動を続けているゴールデンゲート・カルテットや
これもまた30年代結成のデルタ・リズム・ボーイズなどの黒人男声コーラスグループが、
ダークやデュークやボニーの先生にあたる。
ここへんのグループについては諸先輩がたのページに詳しいので、
(世代的にいうと、僕はこの先輩方の2世代か3世代くらい下かな。)
URLをご紹介する。
Gospels & Spirituals 黒人霊歌 & ジャズコーラス
デルタリズムボーイズDelta Rhythm Boys
Delta Rhythm Boys – Dry Bones
黒人霊歌&JAZZコーラスから出発した3大男声カルテットは、
ダークがロシア民謡、デュークが「にほんのうたシリーズ」とテレビ主題曲、ボニーがサトー・ハチロー作品集などの童謡に力を注ぎ、
独自の道を歩んだ。
山ほど素敵な曲があるが、今日はデューク・エイセス「忍者部隊月光のテーマ」を。
驚くほどスタイリッシュでかっこいいアレンジとボーカル。
イントロのギターリフなんて、今の日本のバンドが作るリフよりかっこいいかも?
1964年1月に放送が始まったドラマだから、
このレコーディングは63年のものだ。
半世紀近く前の音源なのに、このクオリティの高さ・・
「ヒュユウウ」っていう印象に残る音は、当時の怪談映画などでもよく使われた音で、
ノコギリをしならせマレットで叩いたりして作っていたらしい。
ドラマも、タツノコプロの創始者吉田竜夫原作の傑作で、
日本だけではなくオーストラリアでも放映され、人気があったそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=pM_v4V7VFS0
付記-2011年1月13日
◎Youtubeには映画版の「忍者部隊 月光主題歌」も上がっているが、
これは映画用の為に録音しなおしたもので、アレンジも演奏ももっとゴージャスになっている
(ブラスパートなどが分厚くなり、リズムパートがシンプルでシャープになっている。
しかし旧版の「ガシャッ」というリズムパートの音が消えているのが残念。)
歌はボーカル・ショップがやっており、デュークのバス槇野義孝さんが
旧版でソロで歌っていたパートをバス&バリトンのユニゾンで歌っているなどの違いがある。