早乙女愛はソロで一枚だけ76年にシングルレコードを残していますが、
(デュエットで映画「愛と誠完結編」の主題曲があるとのことですが未聴)
それが荒井由実作詞・作曲の名曲「魔法の鏡」です。
「あれが最初で最後の ほんとの恋だから」という
リフレインの歌詞とメロディのマッチングが絶妙な曲ですね。
ところで、「あれが最後のほんとの恋」って思いつめるのは、
初恋だからこそっていう気もします。
普通は、恋に破れるほど免疫ができて、
現在進行形の「恋」こそが「最後のほんとの恋」って思うようになるものですね。
今聴くと早乙女愛は、中域に張りというか太さのある声で、
僕がPDならもっとロックっぽい曲を歌わせたいなあとは思うのですが、
リリース時10代の清純派アイドルなのだから、この選曲だったのでしょうね。
(「愛と誠」ファン向けに、「誠」への-あれが最初で最後の ほんとの恋だから-という意味合いもあったのでしょう)
アレンジは重鎮の竜崎孝路で、
イントロからブラスを使った典型的なアイドル歌謡ものの編曲です。
ちょっと辛口だけど、このイントロはあまりにもありきたりすぎると思います。
オリジナルのユーミンバージョンは、アルバム「ミスリム」74年に収録されていて、
シングルとしても、74年に「やさしさに包まれたなら」のB面としてリリースされています。
シングルバージョンとアルバムバージョンはアレンジもミックスもボーカルも、二番の歌詞も違っています。
この頃のユーミンは、フランスのシンガー・ソングライター、フランソワーズ・アルディの影響が色濃く、
この曲や「まちぶせ」には、まさにその影響があります。
「ミスリム」には、彼女に捧げた「私のフランソワーズ」という曲も入っていますね。
この「ミスリム」アルバムバージョンのアレンジは素晴らしいです。
さすが松任谷正隆。
イントロ・間奏のマリンバっぽいエレピの音色もフレーズも、
オブリガートのフラットマンドリンも適度に隙間のあるオケも素晴らしい。
この「歌姫」94年というアルバム中森明菜のバージョンは、ボサノヴァ風アレンジで、
ストリングスの使い方、ガットギターのパターンやフルートのオブリガートを聞くと
マイケル・フランクスの「Antonio’s Song」を参考にしていますね。
中森明菜の歌唱は、彼女の実人生とオーバーラップして聞こえます。
彼女は「破れた初恋」への免疫の作り方が、あんまりうまくなかったのでしょうか・・
