最近女性ファンも増えてきたとはいえ、
いまだに男性80%、女性20%ぐらいのファン分布だ。おニャン子クラブ以来、日本の女性ガールグループといえば、
大半が育成型アイドルで、
その完成形がAKBだと言える。
「アマチュアに近かった同級生みたいなアイドルが、デビューし成長していく様子をファンが見守り一緒に成長していく。」
というコンセプトだ。
少女時代(SNSD)のショーケースライブ、KARAの握手会に集まったファン層は、
ちょうどこれの逆で女性80%、男性20%ぐらい。
韓国ガールグループは、男性に対するセックスアピールを強調するような、
「尻振りヒップダンス」や「美脚」が日本マスコミにおけるパブリックイメージの割には、
ファン層がみごとに若い女性ばかりで、
大半は日本のマスコミが記事にするまえに、すでにファンだったということがわかる。
AKB、少女時代(SNSD)、KARAそれぞれに、
初動、数万単位での立派な売上。
2ちゃんや2ちゃんまとめサイトを見ると「電痛w」「電通様の仕掛け」という言葉が頻繁に出てくるが、
マスコミで大々的な報道をする以前に、口コミで数万という数字を確保できるような芸当が、
広告代理店発でこんなに簡単にできるのなら、日本はヒット商品続々誕生のはずで、
こんなにも深刻な不況には、あえいでないだろう。
なぜこれだけ少女時代(SNSD)、KARAに若い女性ファン層が付いているのか、
ちゃんとした分析を、エンタメ業界の者たちはやっているのだろうか?
そこには明らかな「隙間」があるのように思う。
現在活動休止中の東方神起ファンが移動したという面も少しはあるのだろうが、
いちばん大きいのは、中学生・高校生のHipHop&ストリートダンス層の受け皿になっているという面だ。
高校生ダンス甲子園を目指して、群舞を踊っていたような子達が全国にいて、
発表の場としての、高校生ダンスフェスタみたいな催しが全国各地で行われている。
そういう子たちが、あこがれるのはマイケル・ジャクソンや
ジャニーズ・アイドルやEXILEなのだけれども、
彼らはみんな男性で、女の子の「自分がその場に立って踊ってみたい」という欲求には答えてくれない。
AKBは、残念ながらそういうHipHop&ストリートダンス層の要求には答えてくれない(AKB楽曲のビートは、基本的にROCK)。
数万人が見つめるステージで、自分の姿をそのスターと置き換えて主役で踊ってみたい、きれいな群舞をしてみたい。
カッコいいダンスPVを撮ってもらいたい。
そういう欲求に答えてくれるものが、Youtubeなどにはたくさんあって、それが韓国ガールグループだったというわけだ。
年齢も近く、同じ東亜人のルックスで、ヨーロッパのガールグループなどより親近感があった、というのもあるだろう。
より自己同化視しやすかったっということではないか。
韓国のTVショープログラム(歌番組)は、元々は日本の歌番組を真似ていたが、
90年代中頃から大規模なものになり、
今では日本の歌番組よりゴージャスなものが多い。PVにも金をかけている。
韓国ガールグループが、日本で中高生女性ダンス層を取り込むことができたのは、偶然だったのだろうか?