2011年度グラミー賞雑感

昨日発表のグラミー賞
主要4部門は

最優秀レコード 「ニード・ユー・ナウ ~いま君を愛してる」レディ・アンテベラム
最優秀アルバム 「ザ・サバーブス」アーケード・ファイア
最優秀楽曲   「ニード・ユー・ナウ ~いま君を愛してる」レディ・アンテベラム
最優秀新人賞  エスペランサ・スポルディング

もっとも重要なのは上の2部門

 

ほかには

最優秀ポップ・ボーカル・アルバム  「ザ・モンスター」レディー・ガガ
最優秀コンテンポラリーR&B・アルバム 「レイモンド V レイモンド」アッシャー
最優秀ラップ・アルバム       「リカヴァリー」エミネム
最優秀R&Bアルバム 「ウェイク・ アップ!」ジョン・レジェンド&ザ・ルーツ
最優秀ロック・アルバム 「ザ・レジスタンス」ミューズ
最優秀サウンドトラック・アルバム 「トイ・ストーリー3」

など

日本人の今回受賞者は

最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム賞
松本孝弘、ラリー・カールトン「テイク・ユア・ピック」
最優秀インストゥルメンタル・ソリスト・パフォーマンス賞
内田光子「モーツァルト ピアノ協奏曲第23番・第24番」
最優秀ニューエイジ・アルバム賞
松山夕貴子(琴)ポール・ウィンター・コンソート「ミホ:ジャーニー・トゥー・ザ・マウンテン」
最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞
上原ひろみ「スタンリー・クラーク・バンド」

 

さてエミネムに注目していたが、ご覧のとおりの結果となった。

エミネムがグラミー賞(主要4部門)を獲るのか獲らないのかというのは、
来年以降の音楽シーンの動向にかなり大きな影響があると以前書いたが、

全米2010年間チャート、アルバムは1位スーザンボイル2位エミネム3位レディ・アンテベラム
(このエントリーでは「NEED YOU NOW」レディ・アンテベラム Lady Antebellumのことも書いている。)

2000年代後半からグラミー賞におけるHip HopやR&Bの比重がだんだん小さくなってきていて、
その流れが、今年さらに進んだということになる。
エミネムに注目していたのは、名実ともに今の世界のナンバーワンHipHopアーティストである彼が、
そういう流れを打ち破れるかどうかに大きな意味があると考えていたからなのだが、部門賞にとどまった。

同じく注目されていたレディー・ガガも3部門とはいえ部門賞、
最優秀新人賞候補最右翼だったジャスティン・ビーバーは落選。

こうやって並べて主要4部門&最優秀新人賞エスペランサ・スポルディング
と前記3アーティストを比較するとわかっていただけるのではないかと思うが、
グラミー賞は「人工音」ではなく「生音」を求めていることがわかる。

もちろん今のエレクトロ&加工音全盛のダンスミュージックシーンがしぼむということは、
まだ全然考えられないけれども、選考委員たちの求めているのは、
「音楽の生演奏への回帰」だってことなんだろう。

これは2011年のキーワードになるかもしれない。

日本人の受賞者達は、みんな「生の演奏力」に秀でた人達だ。

Arcade Fire – The Suburbs

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