女性漫画家版トキワ荘「大泉サロン」

写真は、女性漫画家版トキワ荘「大泉サロン」があったあたりです。
現在の南大泉「いなげや」裏から南泉変電所付近です。

1970年代前半、竹宮恵子と萩尾望都が共同生活をしていた長屋(木造アパート)に集っていたのは、
「花の24年組」大島弓子、木原敏江、山岸凉子、樹村みのり、ささやななえ、山田ミネコ、増山法恵、
「ポスト24年組」水樹和佳、たらさわみち、伊東愛子、坂田靖子、佐藤史生、花郁悠紀子などなど、僕のリスペクトする漫画家達。

この大泉サロンに集っていたアーティスト達は、相互にいろいろな面で影響を与え合っていたと思います。
萩尾望都・大島弓子・山岸凉子の3人は日本漫画史を代表する天才で、その天才たちと触れ合って後輩たちも成長したんじゃないでしょうか。
彼女らは、商業的に成功することと、自分が描きたい「新しいアート」を描くということを両立させました。

この24年組が出てきたおかげで、先行して成功していた一条ゆかり・里中満智子・池田理代子も影響され、さらにシーン全体の作品が進化していったと思います。

少女漫画で表現できることのほとんどが、この時代から10年のあいだに成し遂げられました。
書き手側にとっても、受け手側であった僕ら読者達にとっても、なんて幸福な時代だったんでしょうか。

大泉サロンJ

「大泉サロン」そのものはとっくになくなってしまいましたが、萩尾望都「キャベツ畑の遺産相続人」や「別冊宝島 キャベツ畑の革命的少女マンガ家たち」等に名前の残るキャベツ畑は今も健在です。

花24-2J
この↑写真を撮ったあたりに「大泉サロン」があったようです。周りは今も畑です。
よっぽどのファンの方以外は、わざわざ足を運ぶようなところではありませんが、
駅からも少し遠いこういう東京23区内としてはかなり田舎っぽい場所から、日本の文化史に名を残す名作が次々に生まれてきたのか思うと、ちょっと不思議な気分がしますね。